カスタマーハラスメントへの対応に関する方針
カスタマーハラスメントへの対応に関する方針
五台山保育園を運営する社会福祉法人五台山保育園振興会では、子どもたち、保護者の皆様、職員、地域の皆様が安心して過ごせる環境を守るため、「カスタマーハラスメントへの対応に関する方針」を定めています。
1.方針策定の背景と目的
近年、商品やサービスの利用者から提供者に対する、著しい迷惑行為や不当な要求である「カスタマーハラスメント」が社会的な問題となっています。
保育施設においても、保護者や利用者等からの過度な要求や不当な言動により、職員が精神的な不調をきたしたり、離職に至ったりする事例が見られます。
本来、保育園は、職員だけでなく、保護者の皆様や地域の皆様と信頼関係を築き、互いに協力しながら子どもたちの成長を支えていく場所です。
五台山保育園では、基本的な生活習慣を身に付けながら、「心の力」「学ぶ力」「体の力」を育み、子どもたちの「生きる力」を育てることを目指しています。
そのためには、子どもたちが安心して過ごせる環境と、職員が穏やかな状態で保育に専念できる環境が必要です。
本方針は、職員の人権や心身の安全を守るとともに、保護者の皆様や地域の皆様とより良い関係を築き、子どもたちの最善の利益につながる保育を実践することを目的として策定するものです。
なお、当法人は、保護者の皆様から寄せられる正当なご意見やご要望をお断りするものではありません。子どもたちのより良い保育につながるご意見やご相談については、真摯に受け止め、適切な改善に努めます。
2.カスタマーハラスメントの定義
当法人では、厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を参考に、カスタマーハラスメントを次のように定義します。
> 保護者、利用者、地域の方等からの言動のうち、要求内容に妥当性がないもの、または要求内容が妥当であっても、その実現のための手段や態様が社会通念上不相当なものであり、職員の就業環境を害するもの。
カスタマーハラスメントに該当するかどうかは、個別の状況、言動の内容、回数、時間、態様などを総合的に判断します。
3.カスタマーハラスメントに該当し得る行為の例
以下は、カスタマーハラスメントに該当し得る行為の一例です。
(1)過大・不相応な要求
- 当法人が提供できない保育や教育の提供を、繰り返し、または過度に要求すること
- 子どもたちの安全や他の園児への影響を顧みない一方的な要求を続けること
- 正当な理由なく、保育に必要な費用の支払いを拒むこと
- 正当な根拠のない金銭補償を要求すること
- 必要以上または不相応な謝罪を繰り返し要求すること
- 土下座など、人格を傷つける謝罪を要求すること
- 一度説明した内容について、合理的な理由なく、長時間にわたって同じ要求を繰り返すこと
(2)身体的な攻撃
- 暴行、傷害
- 職員や他者を突き飛ばす、つかむ、蹴るなどの行為
- 物を投げる、壊すなどの行為
- 危険な物品を施設内に持ち込むこと
- その他、職員、子どもたち、他の保護者等の安全を脅かす行為
(3)精神的な攻撃
- 脅迫、恐喝、中傷、名誉毀損、侮辱、暴言
- 職員の人格を否定するような発言
- 差別的な発言や人権を侵害する発言
- 人前で大声を出す、威圧的な態度をとるなどの行為
- 長時間にわたり、必要以上に激しく叱責すること
- 同じ内容について、何度も執拗に抗議や要求を繰り返すこと
- 事実と異なる内容を、SNSやインターネット上で拡散すること
- 職員や園を誹謗中傷する目的で、無断で録音・撮影・配信すること
(4)拘束的な行動
- 退去を求められても園内に居座ること
- 職員を長時間拘束し、業務に戻れない状態にすること
- 職員の通行や退席を妨げること
- 職員を監禁する、またはそれに類する行為
- 事前の約束なく繰り返し来訪し、長時間の対応を求めること
(5)性的な言動
- 職員に対する性的な発言や質問
- 容姿、身体、私生活等に関する不適切な発言
- 不必要な接触や性的な嫌がらせ
- 性的な画像やメッセージ等を送ること
(6)個人の尊厳やプライバシーを侵害する行為
- 職員個人に対して、直接またはSNS等を通じて攻撃や要求を行うこと
- 職員の氏名、住所、電話番号、家族情報等を不当に尋ねたり、公開したりすること
- 職員の個人の連絡先へ、業務外の時間に繰り返し連絡すること
- 職員の自宅や私生活に関する情報を調べたり、追跡したりすること
- その他、職員個人のプライバシーや尊厳を侵害する行為
上記はあくまで一例です。これらに該当しない場合でも、職員の就業環境を著しく害すると判断される行為については、カスタマーハラスメントとして対応する場合があります。
4.当法人の基本姿勢
当法人は、子どもたちの安全と最善の利益を最優先に考え、保護者の皆様からのご意見やご要望に対して、誠実かつ丁寧に対応します。
一方で、職員の人権や心身の安全を守るため、社会通念上不相当な要求や、職員の就業環境を害する言動については、毅然とした態度で対応します。
職員が一人で対応することのないよう、管理者等が状況を把握し、必要に応じて複数名で対応します。また、事実確認や適切な対応のため、対応内容を記録する場合があります。
5.カスタマーハラスメント発生時の対応
カスタマーハラスメントに該当する行為が確認された場合、当法人は、状況に応じて次のように対応します。
1. 事実関係を確認し、必要な説明を行います。
2. 対応時間、場所、対応者を限定する場合があります。
3. 改善を求める注意や警告を行います。
4. 必要に応じて、複数名での対応、書面での対応、電話や面談の制限を行います。
5. 職員や子どもたちの安全が脅かされる場合は、警察へ通報・相談します。
6. 必要に応じて、弁護士、行政機関、関係機関等へ相談し、協力を求めます。
7. 悪質な行為や改善が見られない行為については、利用契約、重要事項説明書、園の規程および関係法令に基づき、利用継続について協議・判断します。
暴力、脅迫、不退去、危険物の持ち込みなど、緊急性が高く、職員や子どもたちの安全が脅かされる場合には、事前の注意や警告を行わず、警察等の関係機関へ連絡することがあります。
また、カスタマーハラスメントにより、安全で適切な保育の継続が困難となった場合には、関係機関等と連携し、利用継続の見直しや退園を含む対応をお願いする場合があります。
6.カスタマーハラスメント防止を強化するための取組
当法人では、カスタマーハラスメントの発生を未然に防止するとともに、発生した場合に適切かつ迅速に対応できるよう、次の取組を進めます。
(1)職員研修・教育の充実
- 弁護士、警察関係者、その他の専門機関等を講師とする職員研修を実施します。
- カスタマーハラスメントの定義や具体的な事例、初期対応、記録の方法、管理者への報告手順等について、職員への周知を図ります。
- 実際に発生した事案については、個人情報やプライバシーに十分配慮し、必要に応じて匿名化したうえで園内で共有します。
- 事案の経過や対応結果を記録・検証し、今後の対応に生かすことで、組織としての対応力を高めます。
- 職員が一人で抱え込むことのないよう、早期の報告・相談を促し、管理者が組織的に対応できる体制を整えます。
(2)外部機関へ速やかに相談できる体制の構築
- カスタマーハラスメントが発生した場合に、管理者が速やかに弁護士、警察、行政機関等の外部機関へ相談できる体制を整えます。
- 暴力、脅迫、不退去、危険物の持ち込み等、緊急性の高い事案については、職員や子どもたちの安全を最優先にし、必要に応じて警察等へ通報・相談します。
- 事案の内容に応じて外部機関と連携し、職員の安全確保、子どもたちへの影響防止、再発防止に努めます。
- 相談先や緊急時の連絡手順を職員に周知し、迅速な報告と対応が行えるようにします。
7.みんなでつくる保育園
本方針は、子どもたち、保護者の皆様、職員、地域の皆様が、安全で安心して過ごせる環境をつくるための基本的な方針です。
子どもたちの健やかな成長を支えるためには、保育園に関わるすべての大人が、互いの人格や立場を尊重し、良好な関係を築いていくことが大切です。
当法人は、保護者の皆様からの正当なご意見やご要望を真摯に受け止め、より良い保育の実現に向けて改善に努めます。
一方で、職員や子どもたちの安全、人格、尊厳を脅かす行為に対しては、本方針に基づき、毅然と対応します。
五台山保育園が、子どもたちと保護者の皆様にとって安心できる場所であり、地域の皆様から信頼され、愛される保育園となるよう、職員一同、力を合わせて努めてまいります。
皆様のご理解とご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
令和8年9月30日作成
社会福祉法人五台山保育園振興会
五台山保育園